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2025年度フェロー

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2025年度渡邉デモクラシー・フェローをご紹介します

2025年度フェローらは、7月後半に2週間にわたって訪米プログラムに参加し、ロサンゼルスとワシントンDCで、米日の政府関係者やNGO、ジャーナリストら、民主主義社会を構成するさまざまなステークホルダーと面会し、対話を持ちました。

2025年度フェローの略歴と感想

Takashi Ishimori

石森孝志

三菱電機株式会社国際本部地域事業推進部アジアG主任。鉄鋼専門商社勤務後、2014年に三菱電機入社。現在、欧州地域及びアジア地域の販売会社の管理・統括業務を担当。

「民主主義とは組織における意思決定のシステムであること以上に、自身のコミュニティーや世代だけではなく、他のマイノリティーグループ、こどもや孫の世代を豊かにするための想いに根差した社会のパワーであると感じました。対話を通じて人々の職務に対する価値観や使命感に触れる中で、組織を牽引するための姿勢、強い想いがもたらす信念の価値、それを周囲に伝えることで組織を良い方向に導くことのできるリーダーを目指したいという想いを新たにしました。」

Misako Kono

河野美紗子

独立行政法人国際交流基金国際対話部事業第1チーム主任。日米、日ASEAN、インド太平洋地域に関連する助成事業やフェローシップ等を担当。

「訪米プログラム中、意見の極端化が進んでいることに対する懸念が数多く聞かれました。異なる意見を持つ人との対話がますます困難になっており、分断をあおるような政策が実行されることに強い危機感を覚えました。社会的分断は米国だけの問題ではありません。日本においてもさまざまな分断が顕在化し始めてきていると感じています。こうした状況で、分断に目を奪われるのではなく、いかに社会として連帯できるかがますます重要になると感じました。異なる意見を持つ人の話を積極的に聴きに行き、その背景にどのようなロジックや背景事情があるのかを知り、寄り添って初めて、互いに納得できる着地点を見出せるのではないかと思いました。」

Sato Sekimoto

関本早冬

横浜市役所国際局政策総務課担当係長。コンサルタントや国際協力機構(JICA)勤務をへて、2013年から横浜市役所で公民連携推進や米州地域との国際交流等を担当。

「参加した大きな動機は、移民で成り立つアメリカ社会の実態を学ぶことで、社会が複雑化する日本において、多様性が尊重される社会はどのようなものかを知り、考えたいということでした。訪米プログラムを通して、いずれのテーマでも、個や民の力が非常に大きく、こうした力が社会を動かしていると感じました。また、さまざまなバックグラウンドを持つフェローと共に過ごす中で、さまざまな考え方や価値観に気づくことができました。フェローのグループ間であれ、民族間であれ、都市間・国家間であれ、こうした人と人とのつながりに基づく相互理解が、多様性が尊重される社会の根本であることを改めて感じる機会となりました。」

Risa Shibata

柴田莉沙

独立行政法人国際協力機構(JICA)ラオス事務所所員。本部やエチオピア勤務を経て、2023年よりラオスに赴任し、教育、スポーツ、観光分野を担当。

「フェローシップを通して、一番大きな学びは日々のフェローとの意見交換を通しての気づきでした。私のようなパブリックセクター出身者以外にもプライベートセクターからも金融、メディア、メーカー等幅広くフェローが参加していたため、同じ視察先を回っていても、気づきの点が全く違い、それぞれの視点からの学びを聞き、意見交換できるのがとても貴重でした。多様性を考えていく上で、違いをどう受け入れていくのか、というのは現代社会においても大きなテーマの一つだと思います。今回のフェローシップを通して改めて「自分らしさ」を見つめなおす大きなきっかけになりました。」

Daisuke Shirakawa

白川大介

日本テレビ放送網報道局プロデューサーとして「news zero」などを担当。2018年にゲイであることを公表して以来、日本のLGBTQ当事者に関して精力的に発信。

「自由の危機に、自分には何ができるだろう? それは、この旅の間、私の頭の中で繰り返された問いでした。実施2年目を迎えた渡邉デモクラシー・フェローシップですが、皮肉なことに、昨今の世界情勢の中でこのプログラムの意義は逆説的に、そしてますます重要性を増しているといえるでしょう。訪米プログラムで会った人から、「それでも時計の針は戻せない」、世界は良い方向に向かって進み続ける、と背中を押されました。民主主義の理念が試されている今、自由と多様性を守るため、フェローの一人として、ジャーナリストとして、市民として、私は自分の責任を果たしていきます。」

Hiromi Shirakura

白倉裕美

日本郵船株式会社にて社長秘書を担当。同社入社以後、東京とバンコクオフィスにて、船の運航管理、海外顧客営業、法務、人事などを経て、現職。

「日系アメリカ人の歴史を軸に、民主主義の価値や日米間の理解と協力を促進するという本プログラムの理念のもと、多様な人々との出会いと対話を通じ、視野が大きく広がりました。特に印象に残ったのは、まず、アメリカにおけるNPO/NGOの存在感とその社会的影響力です。日本では「非営利=ボランティア」という印象が根強い中、アメリカでは社会変革の担い手としての姿が際立っていました。また、DEIの意味合いやマイノリティーコミュニティー間の連携のあり方にも日米の違いをみました。アメリカでは連帯によって社会に働きかける姿勢が根付いており、今後の日本にとっても示唆に富むものでした。」

Ayumi Wajima

和島 歩

株式会社三菱東京UFJ銀行に入行後、日本や欧州、米州で勤務。現在はMUFGバンク(ブラジル)で拠点戦略の作成、企業ガバナンスの強化、重要施策サポート等を担当。

「米国では、民族や人種に留まらない、さまざまなコミュニティーがあり、それぞれが「語られていない歴史・記憶」を原体験として共有していることを知りました。それぞれのコミュニティーの歴史を正しく保存し、過去を繰り返さないという決意を、訪問先の展示・記録の数々から感じました。同時に、真の自由や平等を獲得するための無数の苦闘が、今日の米国の民主主義や多様性を形づくってきたことを学びました。また、政府、議会、NGO・NPO、シンクタンク、民間企業、メディアなど、異なる立場の人々が、各々の立ち位置から、民主主義のシステムに自ら参画し、民主主義を成し遂げようとしている点が印象的でした。」

Chihiro Yago

矢後千紘

富山県立高岡高等学校の教諭として英語を教える傍ら、探究学習の推進に携わる企画研究部に所属。公益社団法人ガールスカウト日本連盟の国際コミッショナー(理事)。

「多くの学校がグローバルリーダーの育成を目標に掲げている中で、そもそもリーダーを育てる学校で本物の民主主義が機能しているのか。グローバルリーダーに身につけてほしい民主主義の価値観とは何なのか、その気づきを一つでも得られたらという想いで参加した本フェローシップでは、民主主義と教育をつなぐ大切なヒントを持ち帰ることができたように思います。また、このフェローシップを通して、民主主義の一端を担う「教育」の役割を肌で感じることができました。そこに関わっている者として誇りをもって、日本の民主主義を底支えする教育を、子どもたち、教員、地域の方々とともにつくっていきたいと思っています。」

これまでのフェロー

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2024年渡邉デモクラシー・フェロー

第1回となる2024年度「渡邉利三デモクラシー・フェローシップ」のフェロー8名は、7月14日から26日までロサンゼルスとワシントンD.C.を訪れ、政府やNPO、シンクタンクなどを訪問し、多様な学びと対話の機会を持ちました。

略歴と感想

The Democracy Center explores the rights, freedoms, and fragility of democracy, helping to build bridges, and find common ground between people of diverse backgrounds and opinions.

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