即日発表 - 2021年12月09日

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全米日系人博物館・民主主義保存全米センターとアジアンアメリカン・アドバンシング・ジャスティス-ロサンゼルスはアーティスト・アット・ワーク・イニシアチブの受賞者2名を発表


全米日系人博物館・民主主義保存全米センター(NCPD@JANM)アジアンアメリカン・アドバンシング・ジャスティス-ロサンゼルス (アドバンシング・ジャスティス-LA)は、アジア系に対するヘイトとレイシズムをテーマにしたアートプロジェクトを行うアーティスト2名を選出しました。

オードリー・チャンジェイソン・チューの2人のアーティストは、アンドリュー・W・メロン財団からの資金提供と、ロサンゼルス郡芸術文化局の支援を受けて、ジ・オフィス・パフォーミング・アーツ+フィルムが全米展開するアーティスト・アット・ワーク(AAW)イニシアティブのロサンゼルスの受賞者に選ばれました。

NCPD@JANMとアドバンシング・ジャスティス-LAは、応募者を審査した結果、ビジュアルアーティストのチャンとラッパー/アクティビストのチューが、「人種と民主主義の複雑な概念を作品に取り込み」、アメリカにおける「アジア系太平洋諸島系の認知度とインクルージョンを高めることができる」魅力的なアート作品またはシリーズを作り出す力があると判断して選出しました。

「アーティスト・アット・ワーク(AAW)の活動に参加し、アドバンシング・ジャスティス-LAと協力して、2人のエキサイティングで、まさにこの活動にふさわしいアーティストを選出できたことを大変誇りに思います。パンデミックはアート業界にも大きな打撃を与えました。この2人の受賞者は、AAWのロサンゼルス郡のアーティストの一員となり、それぞれの作品を生み出す間、1年間にわたって生活費を受け取ることになります。この2人の受賞者は、アジア系に対するレイシズムの問題についてユニークな創造性を発揮してくれるはずです。彼らの作品は美しく、力強く、アジア系へのヘイトに対抗するものになると考えています」とアン・バロウズJANM館長兼CEO。

アドバンシング・ジャスティス-LAの最高経営責任者であるコニー・チョン・ジョーは、「このプロジェクトでJANMと協力して、才能あるアーティストを支援し、特にアジア系に対するヘイトが蔓延しているこの困難な時期に、アートを通して人種的正義に関する意識を高められることを非常に嬉しく思います。社会正義やアクティビズムはさまざまな形で行われます。オードリーとジェイソンは、それぞれビジュアルアートとスポークンワードという強力な媒体を使ってそれを行なっていきます」と述べています。

NCPD@JANMとアドバインシング-LAの募集要項では、ロサンゼルス郡を拠点とし、プロのアーティストとしての5年以上15年未満の経験があり、アジア系太平洋諸島系のヘイトの問題の解決の道を探り、反レイシズムのテーマを取り入れている若手アーティストを募集していました。

オードリー・チャンは、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、イラストレーター、ライターです。ドローイング、ペインティング、パブリックアート、ビデオなどを用いて、権力、場所、アイデンティティーの寓話を通して、支配的な歴史的ナラティブに挑戦するリサーチベースのプロジェクトを行っています。カリフォルニア芸術大学で修士号、スワースモア大学で優れた成績の者に与えられるオーナーと共に学士号を取得しています。オードリーの作品は、USCパシフィック・アジア美術館 、中華系アメリカ人博物館、ロサンゼルス市営アートギャラリー、セルフヘルプ・グラフィックス&アートなどで展示されています。チャンは、ロサンゼルス郡都市交通局からの依頼で、2022年にオープンするメトロレイルのリトル東京/アーツディストリクト駅のパブリックアートを制作しました。

「アーティスト・アット・ワークのフェローとして、NCPD@JANM、アドバンシング・ジャスティス-LA、ラッパー/アクティビストのジェイソン・チューと共に、アジア系コミュニティへのヘイトに対抗する文化的アドボカシーを行うことができ、とても光栄です」とチャンは話します。「アジア系へのヘイトは、友人や同僚、彼らの大切な人をはじめ、ニュースに取り上げられた(または取り上げられなかった)数多くの人々に影響してきました。このテーマは私にとってすごく身近なものです。ビジュアル・ストーリーテラーとしての私の役割として、本来なら私たち皆が共有するアメリカ文化として認識され評価されるべき、複雑でニュアンスに富んだ私たちのコミュニティーのストーリーをよく見えるようにしていきたいと考えています」。

ラッパー/アクティビストのジェイソン・チューは、「壊れた世界で希望と癒しを語る」ために、内省的なリリシズムとエネルギッシュなライブパフォーマンスを融合させた音楽を生み出しています。彼はこれまでナショナル・モールでパフォーマンスを行なったほか、バラク・オバマ大統領在任時にホワイトハウスで詩を披露し、中華系アメリカ人博物館では特別展示が行われました。彼の音楽は、「Warrior」(HBO /シネマックス)、「Snowpiercer」(TNT)、「Wu-Assassins」(Netflix)などで使われており、ロサンゼルス市文化局にも表彰されています。また彼は「ヘイト・イズ・ア・ウイルス」のコミュニケーションディレクターとして、アジア系アメリカ人のアイデンティティーやヒップホップ文化に関する専門家として、BBCやNBC、イェール大学、スタンフォード大学、ニューヨーク大学など各地で精力的に講演を行っています。

「私は、JANMとアドバンシング・ジャスティス-LAと協力して、多様なAAPIコミュニティーの中で、AAPIコミュニティーのために、AAPIコミュニティーから、そしてAAPIコミュニティと共に、反レイシストの作品を作り続けられる機会にワクワクしています」とチューは話します。「JANMの展覧会は、いつもAAPIの歴史や現代の生活を描写する中で美しさと緊急性を融合させており、さまざまな意味で心を動かされてきました。この場所のレガシーに参加できることを光栄に思います」。

ロサンゼルスのアーティスト・アット・ワーク(AAW)イニシアチブは、サンペドロ、パサデナ、ランカスターなど、ロサンゼルス郡内の多様な文化施設で行われています。 ジ・オフィス・パフォーミング・アーツ+フィルム とロサンゼルス芸術文化局によると、このプログラムは、大恐慌時代に何百万人もの失業者を雇用した公共事業促進局にアイデアを得ています。

今回のロサンゼルスでのプロジェクトは、アンドリュー・W・メロン財団から300万ドルの資金提供を受けてAAWの全米展開の第一歩として始まるものです。

AAWフェローシップは、アーティストに作品制作持続のための支払いを行い、それらのアーティストをホストし共に活動するコミュニティーの文化団体やアート制作者をサポートします。そしてアーティストと文化団体の両方を、反レイシズムや司法改革、サスティナビリティーと公正な開発、健康、経済、ホームレスと住宅、児童福祉、移民などの分野における地域で社会的影響を与える取り組みに結びつけます。

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全米日系人博物館・民主主義保存全米センター(National Center for the Preservation of Democracy at the Japanese American National Museum、略してNCPD@JANM)は、ダウンタウン・ロサンゼルスの歴史あるリトル東京地区に位置しており、展覧会、メディアアーツの上映や公開、パブリックプログラム、会議や市民との対話やフォーラムといった教育プログラムを通じて、権利や自由、アメリカの民主主義の永続的なもろさを検証していくという全米日系人博物館のミッションをさらに強化していきます。

アジアンアメリカン・アドバンシング・ジャスティス-ロサンゼルス(AAAJ-LA)は、アジア系アメリカ人、ハワイ先住民、太平洋諸島系アメリカ人(AANHPI)のための全米最大の法律・公民権団体です。1983年に設立されたAAAJ-LAは、毎年15,000人以上の個人や団体にサービスを提供しています。直接的なサービス、影響力ある訴訟、政策提言、リーダーシップ育成、キャパシティー構築を通じて、アドバンシング・ジャスティス - LAは、公民権と社会正義を求める力強い声を生み出すとともに、アジア系アメリカ人とハワイ先住民のコミュニティーで最も弱い立場にある人々を支援しています。

ロサンゼルス郡芸術文化局は、ロサンゼルス郡内の文化サービスを支える何百もの非営利芸術団体や社会正義団体に助成金や職業訓練を提供しています。また全米最大の芸術インターンシッププログラムを行い、クリエイティブなキャリアパスへのアクセスを拡大しています。さらに郡全体の官民芸術教育イニシアチブをコーディネートし、公共のアート作品制作を依頼し、無料のコミュニティプログラムを支援し、市民の抱える問題に対処するためのセクターを超えた文化戦略を推進し、文化的な公平性とインクルージョンを育んでいます。詳細は lacountyarts.org をご覧ください。

ジ・オフィス・パフォーミング・アーツ+フィルムは、変化をもたらすアートを発案し、制作し、発表しています。ジ・オフィスは、アート活動の根源にある理由に光を当て、前進させることを目指して活動するあらゆる分野のアーティストと協力しています。また、意義のある作品を世に送り出す団体とも提携しています。ジ・オフィスは、ニューヨークとロンドンを拠点とする、独立した舞台芸術と映画のキュレーターおよび制作会社であり、フェスティバルや会場、機関との継続的なパートナーシップにより、ユニークでミッションに特化した文化的プログラムを制作しています。

アンドリュー・W・メロン財団は、芸術と人文科学の分野で全米最大の支援を行う財団です。1969年に設立された同財団は、人文科学と芸術は人間の理解に不可欠であるという核となる信念に基づいて活動しています。芸術と人文科学は、私たちの複雑な人間性を表現する場であり、そこに見出される美、超越、自由を全ての人が享受するべきであると財団は信じています。同財団は、助成金の提供を通じて、アイデアと想像力が育つような、意味深く、クリティカル・シンキングによって力を得た、公正なコミュニティーの構築を目指しています。
 

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