即日発表 - 2021年06月10日

プレス連絡先:

Masako Miki - mmiki@janm.org - 213-830-5636

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JANM

全米日系人博物館は、トライベッカ映画祭2021で『粉々になった生:スタンリー・ハヤミの日記と手紙』を世界プレミア上映


全米日系人博物館(JANM)は、6月9日にトライベッカ映画祭2021で、第二次世界大戦中に米国によって強制収容された日系人の一人であったロサンゼルスのティーンエイジャーの日記や手紙を蘇らせたイマーシブ・エクスペリエンスを発表しました。

『粉々になった生:スタンリー・ハヤミの日記と手紙』は、バーチャルリアリティ、拡張現実、複合現実のプロデューサーであるエンブレマティック社のノニー・デ・ラ・ペニャと、シャロン・ヤマトが、全米日系人博物館と共同で制作したものです。 

「スタンリー・ハヤミの文章とアートに命を吹き込んだこのイマーシブ・エクスペリエンスを通じて、より多くのアメリカ人が戦時下のヒステリーと日系人に対する差別がもたらした悲劇的な結果について知ることができます。ハヤミの短い人生の心を打つ物語は、民主主義と公民権のもろさについての警告です。JANMは一見偶然起きたように見える不幸な出来事が、新たな人種差別の始まりとなるのを何度も目撃してきました」と全米日系人博物館の副館長(プログラム担当)兼アートディレクターのクレメント・ハナミは話します。

ハヤミはロサンゼルスのごく普通のアメリカ人ティーンエイジャーで、学校の様子やアーティストや作家になる夢を日記に綴っていました。しかし時は1942年、彼は家族と共にワイオミング州のハートマウンテン強制収容所に送られるのです。第二次世界大戦のヒステリーによって、12万人以上の日系人が人里離れた場所に作られたアメリカの強制収容所に送られました。その多くはアメリカ市民でした。

トライベッカ映画祭のバーチャルリアリティ (VR)エクスペリエンス、『粉々になった生:スタンリー・ハヤミの日記と手紙』を通じて、10代の青年の収容所生活や戦時中の手紙が蘇ります。JANMは、携帯電話やコンピュータにダウンロードできる360度ビデオ版と、VRヘッドセットで視聴できる3D版に加え、ハヤミのアート、日記、手紙を展示して、展覧会を7月にロサンゼルスで開催します。なお、ハヤミの日記、アート、手紙などはご遺族からJANMに寄贈されたものです。

ハヤミが記した言葉やスケッチは、まるで窓のように彼の日常生活や感情を切り取っています。その中でハヤミは家族の収容や徴兵、国のために戦うことの意義について赤裸々に語っています。

1944年、ハヤミはアメリカ陸軍の第442連隊戦闘団に徴兵されました。この日系人部隊は、その規模と従軍期間においてアメリカ史上最も多くの勲章に輝いた部隊です。ハヤミが家族に送った手紙には、ヨーロッパ戦線での苦難を打ち明けてはいるものの、両親を心配させないよう努めて明るいトーンで綴られています。

「粉々になった生:スタンリー・ハヤミの日記と手紙」展は下記のプログラムから支援を受けて開催します。

  • U.S. Department of the Interior, National Park Service, Japanese American Confinement Sites Grant Program 
  • The California Civil Liberties Public Education Program 

また下記の組織からも支援を得ています。

  • The Takahashi Foundation
  • Department of Cultural Affairs, Los Angeles
  • California Humanities
  • Pasadena Arts Alliance

メディアスポンサーは羅府新報です。 

トライベッカVRエクスペリエンスの物理的な体験は、6月9日から19日まで、Spring Studios(5th Floor, 50 Varick Street, NY 10013)の映画祭ハブでチケット購入者向けに開催されます。

トライベッカ・アット・ホームの視聴は、6月9日から20日まで、ミュージアム・オブ・アザー・リアリティーズを通じて行われ、Oculus Rift、HTC Vive、Valve Index、Windows Mixed Realityをお持ちの方に視聴可能になります。Oculus Questをお持ちの方は、Oculus Linkまたは、ワイヤレスヘッドセットとVR対応PCを接続するバーチャル・デスクトップ・アプリケーションを使ってMORにアクセスできます。
 

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1985年の設立より、全米日系人博物館(JANM)は日系アメリカ人の経験を共有することによって、アメリカの民族的・文化的多様性への理解と認識を深めています。ロサンゼルスのダウンタウン、歴史あるリトルトーキョー地区に位置するJANMは、伝統的な博物館のカテゴリーを超えたハイブリッドな施設で、日系アメリカ人の声を伝えるとともに、あらゆる人が自分たちのヘリテージや文化を探求できる場を提供することを目指しています。1992年の一般公開以来、JANMは70展以上の展覧会を開催し、そのうち17展はアメリカのスミソニアン博物館やエリス島移民博物館をはじめ、日本や南米の主要な博物館など世界各地を巡回しました。当館についての詳細はjanm.orgをご覧いただくか、ソーシャルメディア@jamuseumでフォローしてください。

black and white logo of hand with "EMBLEMATIC" written underneath「バーチャルリアリティのゴッドマザー」と呼ばれる、エムブレマティック・グループ代表、ノニー・デ・ラ・ペニャは、フィクションであれ事実をもとにしたものであれ、視聴者に強烈な共感を届けられるよう最先端のテクノロジーを駆使してストーリーを伝えています。彼女は、2012年のサンダンス映画祭でプレミア上映された史上初のVRドキュメンタリー『ロサンゼルスの飢え』で、現在イマーシブ・ジャーナリズムの分野の一つとして知られている歩行型バーチャルリアリティの先駆者となりました。さらに、2010年にアメリカとメキシコの国境で移民のアナスタシオ・ヘルナンデス・ロハスが国境警備隊に殺害された現場に視聴者を立たせるというイマーシブ・ドキュメンタリー・エクスペリエンス『力の使用』は、2014年のトライベッカ映画祭で上映された史上初のバーチャルリアリティ作品となりました。

シャロン・ヤマトは、脚本家/映画監督であり、『屈辱から:ミチ・ニシウラ・ウェグリン』、第二次世界大戦に従軍したスタンリー・ハヤミの日記と手紙をもとにした『永遠の中のゆらぎ』やハートマウンテンの強制収容所のバラックに何が起きたかを描いた『移動する壁:アメリカの強制収容所のバラックを保存する』の脚本、制作、監督を務めたほか、全米日系人博物館の創設館長であるブルース・T・カジの回想録『ジャイブ・ボンバー:センチメンタルな旅』の共著者でもあります。現在は、第二次世界大戦中に国籍を放棄した5,000人以上の日系人の米国市民権回復に貢献した公民権活動家で弁護士のウェイン・コリンズのドキュメンタリーを執筆・監督しています。