即日発表 - 2022年09月19日

プレス連絡先:

Masako Miki - mmiki@janm.org - 213.830.5636

JANM

一世アーティスト松本若次のオンライン展覧会を開始


全米日系人博物館(JANM)は、オンライン特別展「松本若次:二つの世界を生きた芸術家 ロサンゼルスと広島、1917年〜1944年」janm.org/ja/wakaji-matsumoto)を開始しました。この展覧会は、写真家、松本若次のレンズを通して撮影された、第二次世界大戦前のロサンゼルスの日系アメリカ人コミュニティーと、1945年の原爆投下前の広島の都市の生活を記録した貴重な写真をご紹介します。

「この重要な写真集をjanm.orgで公開できることを誇りに思います。若次の作品は、ロサンゼルスのリトル東京で活躍したこの世代の写真家たちが、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本と幅広いつながりを持っていたことを物語っています。このオンライン展示は、写真の歴史を多様化し、リトル東京の歴史を深化させるものです。より多くの人々が彼の作品の豊かさに触れ、日系アメリカ人の経験がいかに今日に深く関わり続けているかを発見できると考えています」と、アン・バロウズJANM館長兼CEOは話します。

「松本若次:二つの世界を生きた芸術家 ロサンゼルスと広島、1917年〜1944年」は、ピクトリアリズムのパイオニアであり、1900年代初頭のロサンゼルスの農村に移住した日本人農民の生活を記録し、1945年の原爆投下前の広島の都市生活の貴重な写真を撮影したアーティストについてのオンライン展示と一般向けプログラムです。

「若次は宮武東洋のもとで働く間に腕を磨き、リトル東京を拠点とする日本人カメラ・ピクトリアリスト・オブ・カリフォルニアに参加しました。祖母によると、この時にエドワード・ウェストンやアンセル・アダムスなど、当時の著名な写真家たちと知り合ったそうです」と、若次の孫娘にあたるカレン・マツモトは語っています。

このオンライン展示では、米国で初めて公開となる貴重な写真を紹介します。また、マツモトと本展のキュレーターであるデニス・リードによるエッセイや、リードが松本若次の作品の意義について語る動画も公開します。また、本展は11月頃には日本語に翻訳される予定です。

「松本若次は、ロサンゼルス地域の日系人が経営する農場を撮影し、日系人の困難な生活とその不屈の精神やレジリエンスを示しました。彼の撮った広島の写真は、原爆投下前の広島の写真資料として最もよく知られています。今日、広島の悲惨な運命を知っている我々は、この優しい写真に哀愁を覚えます。これらの写真は歴史の重みを背負っているのです」とリード。

この展覧会は、全米人文科学基金計画助成金、カリフォルニア人文科学基金の全ての人のための人文科学助成金、およびバークレーJACLの支援により実現しました。しかしながら、この展覧会で表明されている見解、発見、結論、勧告は、必ずしも全米人文科学基金の見解を示すものではありません。また、松本若次のひ孫、ヒトシ・オオチ、広島市公文書館のコントリビューター&ロジスティクス・コーディネーター、広島市公文書館、広島平和記念資料館、中国新聞社、広島フィルムコミッションのサポートを受けました。

本展覧会の全ての写真は松本若次が撮影したもので、著作権はマツモトファミリーに帰属します。

JANMでは、2022年11月19日(土)に、若次の作品の歴史的意義やコレクションにまつわるエピソードを紹介するパネルディスカッションを行う一般向けプログラムを開催する予定です。

「この展覧会によって、日系アメリカ人の体験や国内外のピクトリアリズムのコミュニティーにおいて芸術と人文科学が果たした役割についてについて理解を深まります。世界中からこの展覧会をご覧になられる方は、誰がアメリカの芸術と歴史に、画期的で歴史的な貢献をするかという既存の考え方に挑戦する物語に触れることができます」とJANMの展示担当副館長兼アートディレクターのクレメント・ハナミ。
 

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全米日系人博物館(JANM)について

1985 年の設立より、JANM は日系アメリカ人の経験を共有することによって、アメリカの民族的・文化的多様性への理解と認識を深めています。ロサンゼルスのダウンタウン、歴史あるリトルトーキョー地区に位置する JANM は、伝統的な博物館のカテゴリーを超えたハイブリッドな施設で、日系アメリカ人の声を伝えるとともに、あらゆる人が自分たちのヘリテージや文化を探求できる場を提供することを目指しています。1992年の一般公開以来、JANM は 70 展以上の展覧会を開催し、そのうち 17 展はアメリカのスミソニアン博物館やエリス島移民博物館をはじめ、日本や南米の主要な博物館など世界各地を巡回しました。当館についての詳細は janm.org をご覧いただくか、ソーシャルメディア@jamuseum でフォローしてください。